Amazonには「サクラレビュー」という「嘘」の商品コメントが紛れ込んでいる事をご存知ですか?
本来レビューとは消費者のリアルな感想として参考にする場であるにも関わらず、出品者であるAmazonのセラーが購入者に高評価をさせるように仕向けている事があるのです。
現代のインターネットショピングサイトにとりまく「サクラ問題」について切り込むと共に、その見分け方や被害に合わない為の対策についてご紹介したいと思います。
もくじ
Amazonのサクラレビューとは
Amazonで購入するときの指針のひとつとして「商品レビュー」を参考にしているという方は多いかと思います。
”★4や★5の評価が沢山ついていれば良い商品に違いない…”
そう考えるのが普通だと思います。
しかし、実はその内容の中には偽物の「サクラ」が混在しているというのです。
質の悪い商品を売っているセラーが、そのままだと悪い評判で埋め尽くされてしまうのを危惧して作為的に高評価を増やしているのです。
サクラレビューの具体的な手口
手口としては、身内で複数のアマゾンアカウントを複製して行うというシンプルな方法があります。
レビューはAmazon商品を購入した人は当然ですが、他のインターネットサイトや店頭で購入した人でも評価ができるように基本的に誰でも全ての商品に対して行う事ができます。
しかし、これでは投稿欄に「Amazonで購入」のマークがつかないので怪しまれる可能性があります。
そこで現在主流となっている方法は、購入者に対して「商品に高評価レビューをつけてくれたらAmazonギフト券をプレゼントします」という内容の手紙を商品に同封する方法です。
そもそも購入者がつきにくい商品の場合はSNSなどで購入者を募り、高評価レビューをしてもらった後に報酬として商品代金を返金するという方法をとる場合もあります。
報酬でAmazonギフト券を受け取るのは危険
サクラレビューの報酬としてAmazonギフト券を受け取るという行為はリクスを伴います。
何故かと言うと、貰ったAmazonギフト券が「どこから購入したものか」分からないからです。
基本的にAmazonギフト券はアマゾンもしくはコンビニなどの店頭で購入するものですが、ヤフオク!やギフト券売買サイトなどでは中古のAmazonギフト券が安価で出品されています。
そのような転売されたギフト券をアカウントに登録してしまった場合、アマゾンにバレてしまう恐れがありその際には残高ごと没収されてしまう可能性があるからです。
サクラレビューを行うような企業がAmazonギフト券を正規の値段で購入するか、もしくは中古で購入して経費を抑えようとするか…それはわかりません。
ただし1つだけ、転売されたギフト券の使用によってアカウントの凍結を受けた場合は残高はおろか二度とアカウントのログインができなくなるという事だけは覚えておいて下さい。
Amazonのサクラレビューの実例
発売後すぐの商品なのに高評価が多い
2009年頃までは商品が発売される前であってもレビューする事ができていたので、サクラを使って高評価を量産しておく事が可能でした。
発売前レビューは廃止されたものの、それでも商品が発売されて間もないにも関わらず高評価をつけて同様のサクラ行為をしている販売者がいます。
批判的な場合もフェイクの可能性・・・
自社の商品を絶賛するだけではなく、競合他社を陥れるためにあえて批判的なレビューを行うというサクラ行為もあります。
バレた時のリスクを回避する為、低評価のフェイクレビューをした人に報酬が支払うという仕組みで第三者に募って行わせるという実態もあるようです。
フェイクレビューを投稿する人たちは10代後半~20代前半の男性が多く、報酬は相当低くてもお小遣い稼ぎにはなるので投稿者は減らないという。
Amazonもこれまで1000件以上のフェイクレビューを投稿した人に対して、訴訟も起こしていますが効果はそれほど期待できていないようですね。
「Amazonで購入」というラベルがついていても注意
「Amazonで購入」という表示がされているものに関しては、実際に商品をAmazonで購入した人が書き込みをしているという事なので一定の信頼感を図る材料となります。
金額が大きい商品ならなおさら自演がしにくいので、そのような商品に「Amazonで購入」マークがついていた場合は参考にしても良いかも知れません。
しかし、裏を返せば数千円程度の商品あればターゲットにしやすいということでもあります。
実際に商品を購入し自前で写真を撮り投稿されてしまうと「Amazonで購入」のラベルが付くので、もはやAIであろうともサクラかどうか見分けるのは困難となります。
サクラレビューがつきやすい商品の見分け方
全ての商品に対してではなく、サクラレビューが見受けられやすい商品(自演をしているセラーの商品)の傾向というものが幾つかあります。
それらに共通しているのは、なんとなく感じる「違和感」です。
少しでも「おや?」と思った商品があれば、その商品にはサクラレビューが蔓延している可能性が非常に高いです。
その具体的な例をみていきましょう。
商品タイトルに違和感がある
商品名の付け方に明確なルールがある訳ではありませんが、セオリーというものは存在します。
まず1つは「なるべくタイトルの先頭にメーカー名を記載する」という点です。
以下のドライヤーの場合はパナソニックの社名から始まっているのがわかりますね。
メーカー名を提示するのは信頼の証でもあるので、この順番を飛ばしていきなり「ヘアドライヤー」「マイナスイオン」「大風量・速乾」などの文言から始まっている場合は少し注意が必要です。
また、先頭にメーカー名が記載されていても、聞いた事のない名称の場合も同様です。
高評価と低評価に偏っている
評価の欄が「サクラレビューにて作られた嘘の高評価」と、「それに釣られて実際に購入した人がつけたリアルな低評価」の二極化が起こっている商品は怪しいです。
アマゾンではレビューの他に5つの星(★)で商品の良さを表すことができるのですが、まともな商品の場合はその星のバランスが均一になっている事が多いです。
これは商品の質だけでなく、あらゆる要素が絡んでいますので統計的になだらかになるのが一般的なのです。
1つの商品に対して「最高」という人と「最低」という極端な感想しか無いというのは考えにくいのです。
日本語の使い方がおかしい
少しばかり確信めいた事を言うと、サクラレビューにて嘘の評価をするセラーの多くは中国など外国の業者であることが多いです。
したがって、商品説明やタイトルに関しての日本語の使い方に違和感がある場合があります。
単純なタイピングミスで生じたとは思えないような文法の間違いやカタカナ英語の使い方などが多く見受けられる商品に関しては非常に危険度は高いと思って良いでしょう。
画像の装飾・加工が過剰
アマゾンの規定では、一番最初に掲載される商品画像に関しては「背景が白」である事を明記している事をご存知でしょうか?
これは、アマゾンのページの景観を一定に保つという意味もありますし商品の内容に誤解を与えないようにという理由も込められています。
しかしながら、そのようなルールを遵守していない商品が多いのも事実です。
得に家電の場合は、商品の効果をアピールしたい為に印象的なCGなどで装飾していたり効果をテキストでそのまま背景に描いている場合もあります。
そのような商品には要警戒です。
サクラチェッカーでサクラ評価を一発診断
サクラチェッカーというオンラインサイトがあります。
これはユウさんという個人の方が開発したもので、一般向けに公開されており誰でも無料利用する事ができる大変ありがたいものです。
使い方は簡単。
まずはアマゾンにてチェックをしたい商品のページにアクセスして、そのページのURLをコピー。
サクラチェッカーにアクセス。
「Amazonで検索したい文言・URLを入力下さい」の下の枠内に先ほどコピーしたURLを貼り付けて「Go」を選択。
サクラチェッカーのチェック結果が表示されます。
このように簡単に商品をチェックする事ができます。
更に、検索した商品と同じようなカテゴリの商品の中から信頼性の高いものや低いものを見ることができるのも便利です。
ただし、これはあくまでも個人が作成したプログラムでありAmazonが公式に認めたものではありませんので確実に信憑性があるわけではないというのは忘れてはいけません。
さらにこのサクラチェッカーは今となっては非常に有名なツールであり、評価が下がらないように対策しているセラーもいると思われます。
なので、あくまでも「有力な参考」として活用しながら最終的には自分の判断なども踏まえながら商品選びをするのが良いでしょう。
Amazonのサクラレビューまとめ
もはやAmazonのレビューを信じて何かを購入する気には全然ならないでしょう!
私もです!と言いたいところですが結局レビューを参考にしてしまうような気がしています・・・
Amazonがレビュー以外で、なにか新しい商品の評価システムの構築をしてくれるとよいですね。