競馬は公営のギャンブルですが、借金を生み出す原因になりかねないものです。
適度に楽しみましょうと運営側はしきりにアナウンスしていますが、競馬には強い依存性や中毒性があるので一度のめり込んでしまうと抜け出すのは難しいです。
お小遣いの範疇でも物足りず、借金までして馬券を購入するというケースも珍しくありません。
その原因や改善策とは果たして?
もくじ
競馬を辞められない理由
パチスロなどを筆頭に、あらゆる人気ギャンブルには一定の依存性があります。
なのでギャンブルをすればほぼ全ての人が依存症になり得ます。
それを踏まえながら、競馬が辞められない・分かっていても競馬場に足が向いてしまう…という理由には一体どのようなものが考えられるのでしょうか。
ドーパミンによる依存
購入した馬券が当たった場合、掛け金より多くの現金を配当金として受け取ることができるので嬉しいですよね。
このように、ギャンブルに勝つとお金が増えるから依存するという事は大前提としてありますが、実は更に科学的な根拠があるのです。
ギャンブルでの成功体験時には脳内の報酬系と言われる回路にドーパミンという幸せ・やる気の感情を機能させる物質が分泌されます。
軽い有酸素運動をしたり、目標を達成したなどの場合に発生するのが自然なドーパミンの発生条件なのですが、それ以外にも以下のような行為も該当します。
・麻薬
・飲酒
・喫煙
・SNS
・スマホ
・ギャンブル
・ゲーム
本来、一定期間継続した何かしらの目的・行動が達成された時に分泌されるドーパミンが上記のような方法で簡単に発生させる事ができるのです。
すると脳内のドーパミン受容体がそれ以外の方法を受け付けなくなってしまうので、何事もやる気が起きず「〇〇だけが人生の楽しみ」という考えになってしまうのです。
そうした依存状態になると脳内の報酬系回路は必ず鈍感になっていくので、今までより更に強い刺激がないと今までのような幸福感を感じなくなる結果、依存行動がエスカレートし泥沼化します。
家庭を持っている方は配偶者から総スカンを食らい、果ては離婚…なんて事も。
以上の「ドーパミン」がギャンブルなどの依存症の主たる原因の1つです。
ドーパミン自体は決して悪いものではなくむしろ充実した人生において必要なものですが、健康や生活に悪影響を及ぼすあらゆる依存症を患う引き金となり得るのです。
一発大逆転の可能性がある
パチスロと比べて、競馬は一発当たった時の支払い額(配当金)が大きいです。
もちろん大穴などオッズの高い馬券が当たった時などの条件がありますが、場合によっては100円で購入したものが1万円になる事も。
そのような馬券の事を「万馬券」と言い、聞いた事がある方もいるでしょう。
もちろん掛け金が多かった場合は更に払戻金は高額になり、1,000円だと10万円・10,000円だと100万円をたった1レースでゲットできるという計算になります。
そう考えると、例えこれまで99万円負けて損していても1万円の万馬券で100万円の大勝をしたら一気に大逆転という考え方になります。
もちろん万馬券を当てるのは非常に低い確率なのですが、競馬にのめり込んで既に「ギャンブル脳」となっている人は冷静さを欠いていますし、どうせ負けるなら僅かなチャンスであろうとトコトンまでつぎ込む…という考えに陥ってしまうのです。
競馬の負けを競馬で返すというのは全く推奨できるものではなく、その為に借金をするというのは言わずもがなです。
勝てない事を認めない・負けず嫌い
そもそも競馬をしてお金を儲けられる人というのは全体の1割にも満たないと言われています。
購入した馬券の金額に対して、どれだけの利益・損失があったかの指標を通称「回収率」と呼ぶのですが、平均的な回収率は70%~80%です。
仮に回収率100%の状態というのは「掛け金」と「払戻金」が同じという事を意味しますので、多くの方は損をしている(負けている)という事になります。
競馬とはそういう仕組みになっているので、お金儲けの目的で行うのは合理的ではありません。
その大前提を頑なに認めない(認めたくない)性格の方は大変危険です。
負けず嫌いの方であれば「現在トータルで負けている状態なので、せめて回収率を100%にした時点でやめよう」と思う傾向にあります。
しかし、競馬における回収率は馬券を買う回数が多くなるに従って平均値の70%~80%に近づくとされているので、結局やればやるほど必要以上に負ける事となるのです。
競馬が原因となる借金の解消法
競馬に熱中するあまり借金までしてしまった場合はとても不安で絶望的な気持ちになりますが、過ぎてしまった事は仕方ないと割り切りましょう。
特に借金を抱えてしまった直後からの日々は気持ちの面で不安定になる事が多いので、反省はしても必要以上に自分を責めるのは控えて前向きな解消法だけに集中するようにしましょう。
働いて返済する
競馬で背負った借金に関しては、仕事をしながら労働にて得たお金で返済していくのが大前提です。
むしろそれ以外の方法は基本的にないと考えて良いでしょう。
無理のない範囲で現在の仕事にプラスして「副業」や「日払いの仕事」を追加する事で収入を増やすことが出来れば今の生活水準を保ったまま返済が可能です。
月に3万程度の副収入を得て返済に充てる事ができれば35回で105万円を返済する事ができます。
そう考えると何とか頑張れそうな気がしてきませんか?
ただし実際には年利の分がありますので最終的な返済額は改めて計算する必要があります。
債務整理をする
借金関係の返済が難しいという場合は債務整理をする事で負担を軽くする事を検討しましょう。
債務整理には大きく3つがあります。
〇任意整理
債権者に対して利息のカットや残債の減額・分割払い金額の調整交渉などをする事。
裁判所を通さないので手続きが比較的楽。
〇個人生成
借金を大幅に減額してもらう為に裁判所に申請する手続き。
最大100万円までの減額が可能で、資産の差し押さえはされない。
〇自己破産
抱えている全ての借金の返済義務を無くしてもらう手続き。
資産の差し押さえや様々な制約が伴う。
これらの債務整理をする事により借金地獄から少しでも早く脱出する事ができるのです。
ただし一般的に、競馬などのギャンブルなどで作った借金に関しては自己破産の許可が通りずらいです。
それでも全く可能性は0ではないので、まずは弁護士や役所に相談してみましょう。
競馬による借金に関してまとめ
競馬をはじめとしたギャンブルは熱中しやすいので借金などの問題を抱えやすいです。
お金が絡むので難しいですが、あくまでもギャンブルは予算の範囲内で楽しむものであって収入を増やす為のものではないという自覚をもつ事が大切です。
とは言え、そのような理屈だけで全員が適切に競馬を楽しめるのであれば「ギャンブル依存症」というものは存在しません。
一度、依存症となってしまった状態から「自分の意志だけで」解決するのは非常に困難です。
なので一人で改善していこうとは決して思わず周りの助けやカウンセリング、自助グループへの参加などを積極的に行っていくのがおススメです。
以下にリンクにて幾つかの機関・窓口などの情報を紹介しておきますので気になる方はご覧ください。
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